令和の米騒動?なぜ米が高くなっているのか

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最近、「お米が高い」「スーパーで売っていない」といった声が増えています。
一部では「令和の米騒動」とも言われ、身近な食材であるお米に関心が集まっています。

この記事では、なぜお米が高くなっているのか、その背景や今後どうなるのかを、わかりやすく解説します。


現在の米不足と価格高騰の原因

1. 2023年の豊作で「買い控え」が起きた

2023年は全国的にお米の収穫が多く、「豊作の年」でした(※1)。
しかし、米の在庫が増えすぎたことで、業者が「買いすぎないようにしよう」と買い控えを始めました。
それにより農家は「来年は作っても売れないかもしれない」と考え、2024年の作付け(田んぼに植える量)を減らしました。その結果、今年の流通量が少なくなり、品薄につながっています。

2. 外食やお弁当などの需要が急に増えた

コロナが落ち着いたことで、飲食店やお弁当などで使われる「業務用米」の需要が急に増えました。
農林水産省の資料でも、業務用米の在庫が足りていない状況が報告されています(※2)。
急な需要増に供給が追いつかず、価格も上がり始めています。

3. 食用米を減らす政策の影響

国は長年、米の供給が多くなりすぎないように「食用米の一部を家畜のエサ用にする」政策を行ってきました(※3)。
この政策によって、食用米を作る農家が減り、食卓に届くお米が少なくなっています。

4. 気候の影響も大きい

最近の異常気象も原因のひとつです。
猛暑や豪雨でお米の育ち方が不安定になり、安定して収穫するのが難しくなっています。
今後も天候次第で、米の価格は大きく変わる可能性があります。


政府の備蓄米は役に立っていない?

日本政府は、災害などに備えて「備蓄米(非常用のお米)」を保管しています(※4)。
通常は5年間保管した後、市場に出して価格を安定させる役割を果たします。
しかし、今は放出のタイミングが遅れていたり、放出量が足りなかったりして、価格を下げる効果が十分に出ていないとも言われています。


海外への米の提供に不安の声も

一部の報道によると、政府が保有する備蓄米の一部を海外援助に活用しているという情報があります(※5)。
これについて、「国内でもお米が足りないのに海外に出していいのか」という不安の声もあります。
もちろん国際支援も大切ですが、まずは国内の安定供給が優先されるべきという意見が増えています。


今後どうなる?米の価格と供給の見通し

価格はさらに上がる可能性がある

2024年の米価格はすでに上昇しています。
特に「コシヒカリ」や「あきたこまち」などの人気品種では、1kgあたり100円以上値上がりした例もあります(※6)。
需要に供給が追いつかなければ、今後も価格は高いままになるでしょう。

作付けを増やせば2025年に安定するかも

価格が高くなったことで、「来年はもっと作ろう」と考える農家が増えています。
2024年の作付けが増えれば、2025年には流通量も回復し、価格が落ち着くかもしれません。

備蓄米の放出にも注目

政府が保管している備蓄米を、適切なタイミングで市場に出せば、価格の急騰を防げる可能性もあります。
ただし、大量に出しすぎると価格が下がりすぎて、農家の経営に悪影響を与えるおそれもあります。調整が難しいところです。


消費者の変化と農業への影響

安いお米や輸入米へのシフト

お米が高くなると、少しでも安いお米や外国産のお米を選ぶ人が増えてきます。
これは家計の負担を減らすために当然のことですが、日本の農業には大きな影響があります。
国産米が売れなくなると、農家が減り、国内の米作りが衰えてしまう恐れがあります。

米文化を守るには?

お米は日本の食文化の中心にある食材です。
「おにぎり」や「和食」に欠かせないお米が高くなって食べられなくなると、日本の食卓そのものが変わってしまうかもしれません。
米農家への支援や価格安定の仕組みを整えることが、今後ますます重要になります。


まとめ:令和の米騒動はなぜ起きたのか?

今回の「米不足」「価格高騰」には、いくつもの原因が重なっています。

  • 豊作のあとに作付けが減った

  • 外食・中食の需要が急に増えた

  • 食用米を減らす政策が続いている

  • 異常気象で収穫が不安定

  • 備蓄米の放出が間に合っていない

今後も米の価格や供給状況は、気候や政府の対応に大きく左右されます。
消費者としては、今の状況を正しく理解し、必要以上の買いだめなどは避けながら、賢く行動することが大切です。


引用・参考資料

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